設立前に支払った経費の仕入税額控除

こんにちは!
仙台市太白区の若手税理士、髙橋拓人です。

今回は『設立前に支払った経費の仕入税額控除』という話です。

設立したばかりのお客様からご相談をいただきました

私は法人設立からサポートさせていただくことが多く、
お客様の半数以上が、この1~2年で法人を設立された方です。

先日、そのようなお客様から
「会社を設立する前に支払った経費の消費税も、仕入税額控除の対象になりますか?」
というご相談をいただきました。

私自身も普段あまり考える機会がない論点だったため、
改めて確認してみました。

消費税は「受け取った消費税-支払った消費税」で計算します

消費税は、売上でお客様から預かった消費税から、
経費を支払う際に負担した消費税を差し引いて、その差額を納税するのが原則です。

この「支払った消費税を差し引くこと」を「仕入税額控除」といいます。

ただ、通常は設立したばかりの法人は消費税の納税義務がないケースが多いため、
設立前の経費に含まれる消費税を気にする機会はほとんどありませんでした。

インボイス制度で重要性が増えました

以前は、多くの法人が設立から2年間は消費税の申告自体が不要でした。

しかし、インボイス制度が始まってからは、
設立1期目から消費税の申告を行う法人が大きく増えています。

また、設立当初は売上よりも設備投資や開業準備費用などの経費が多くなるケースも珍しくありません。

その場合、支払った消費税の方が多くなり、
消費税の還付を受けられることがあります。

だからこそ、
「設立前に支払った経費は対象になるのか」という点が重要になります。

結論として、仕入税額控除の対象になります

今回調べたところ、
設立準備期間中に支払った一定の経費については、
設立後の第1期に支払ったものとして取り扱うことができます。

この取扱いは、消費税基本通達9-6-1(法人の設立期間中の資産の譲渡等及び課税仕入れの帰属)に定められています。
(通達とは、正確には法律ではありませんが、国税庁による法令解釈の指針となるものです。)

つまり、要件を満たせば、
設立前に支払った経費に含まれる消費税についても、
仕入税額控除や還付の対象になる可能性があります。

迷ったら専門家へ相談するのがおすすめです

インボイス制度が始まって数年経ちましたが、
私たち税理士でも「このケースはどう処理するのが正しかっただろう」
と改めて条文や通達を確認する場面は少なくありません。

制度が複雑になっている今、
社長や個人事業主の方がすべてをご自身で判断するのは非常に大変だと思います。

少しでも迷うことがあれば、税理士や税務署へ相談することで、
思わぬ損や手続き漏れを防げるかもしれません。

お仕事のご依頼はこちら
→ https://tktk-tax.com/contact/