グレーな節税策はやはり危ないと思う話

こんにちは!
仙台市太白区の若手税理士、髙橋拓人です。

今回は『グレーな節税策はやはり危ないと思う話』という話です。

最近、社会保険に関する少し話題になっていたスキームについて、
厚生労働省から取り扱いを明確化する文書が出ました。

少し前から議論はありましたが、今回で方向性がはっきりした印象です。

もともとグレーと言われていた仕組み

問題になっていたのは、社会保険料を抑えることを目的としたスキームです。

個人事業主が法人の役員になる一方で、
その法人に対して「会費」などの名目でお金を支払う。

結果として、社会保険料が抑えられる形になる、というものです。

ただ、この形は以前から「そもそも勤務実態があるのか?」という点で疑問視されていました。
完全に違法と断言されていたわけではありませんが、
「黒に近いグレー」と言われることが多かった領域です。

今回の整理で実態重視が明確に

2026年3月に、厚生労働省からこの取り扱いについての文書が出ました。

【記事全文】
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000190457_00024.html

内容としては、

・法人から受け取る役員報酬よりも
・個人側が支払う会費等の方が高い場合

このようなケースは、「業務の対価として報酬を受けているとは言えない」とされ、
結果として法人に使用されている実態がないと判断される、という整理です。

つまり、形式的に役員になっていても、
実態が伴っていなければ社会保険の対象とはならない、ということです。

該当するとどうなるか

この整理に当てはまる場合、社会保険の被保険者資格は認められず、資格喪失の扱いになります。

もともと加入していた場合でも、
「本来は対象ではなかった」という扱いになるため、そこから外れることになります。

また、文書上は過去の取り扱いまでは明確に触れられていませんが、
実務上は遡及のリスクを完全に否定することはできません。

国民健康保険との関係も含めて、かなり不確実性の高い状態になる可能性があります。

私のスタンス

私の関与先様では、このようなスキームを利用されている方は1人もいません。

これまでも「こういう話があるんですがどうですか?」という相談は10件ほどいただいていますが、
その都度「制度の趣旨から考えるとおすすめしません」とお伝えしてきました。

結果として、皆様にご理解いただいています。

グレーなものほど慎重に

正直なところ、社会保険制度は税理士の専門分野ではありません。
ただ、法律を扱う仕事として、「制度の趣旨をどう考えるか」は日常的に意識しています。

今回の件も、「形式は整っているが、実態としてどうなのか」という話です。

節税も同じで、「できるかどうか」だけでなく、
「本来どういう制度なのか」を踏まえることが大事だと思っています。

グレーなものは、一見メリットがありそうに見えますが、
後から大きなリスクになることもあります。

今後もこういったテーマについては、法の趣旨を前提にしながら、
実務的な判断としてサポートしていければと思います。

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