生成AIの業務利用、「学習オフ」だけでは不十分?

こんにちは!
仙台市太白区の若手税理士、髙橋拓人です。

今回は『生成AIの業務利用、「学習オフ」だけでは不十分?』という話です。

税理士向けの生成AIのガイドラインが公表された

ChatGPTやClaudeなどの生成AIを仕事で使う機会が増えています。

私自身も生成AIをかなり活用しており、今では仕事に欠かせないツールの一つになっています。

一方で、税理士が生成AIを利用するときには、
お客様からお預かりしている情報をどのように扱うのかという問題があります。

税理士会からも9月30日に税理士向けの生成AI利用に関するガイドラインが公表されたため、私も改めて内容を確認しました。

そこで特に気になったのが、
生成AIを業務で利用するのであれば「学習に利用されない設定にしておけば大丈夫」というほど単純ではないということです。

「学習オフ」にすれば大丈夫?

生成AIを仕事で使うときに、
「入力した情報がAIの学習に使われない設定(学習オフ)にしているから大丈夫」と考える方もいると思います。

もちろん、学習に利用されないように設定することは大切です。

ただ、お客様の個人情報などを入力する場合には、それだけで十分とは限りません。

生成AIに情報を入力するということは、
AIサービスを提供している外部の事業者にデータを送信して処理してもらうことになります。

そのため、学習に使われるかどうかだけではなく、
その事業者にどのような契約に基づいて情報を取り扱ってもらうのかまで確認する必要があります。

これは税理士だけに関係する話ではありません。
お客様や従業員などの個人情報を生成AIに入力して業務利用する事業者であれば、個人情報保護法との関係を考える必要があります。

今回は税理士会からガイドラインが公表されたことをきっかけに改めて確認しましたが、
生成AIを業務で利用している事業者全般に関係する話です。

DPAという契約がある

そこで重要になるのが「DPA」です。

DPAは「Data Processing Agreement」の略で、日本語では「データ処理契約」などと呼ばれます。

簡単にいえば、外部のサービス提供会社にデータを処理してもらうときに、
「預けたデータをどのようなルールで取り扱うのか」を定める契約です。

生成AIに個人情報を入力する場合には個人情報保護法との関係も考える必要があるため、
学習利用をオフにすることとは別に、こうした契約関係についても確認する必要があります。

税理士だからDPAが必要になるというより、
事業者が個人情報を外部のサービスに取り扱ってもらう以上、
個人情報保護法上どのように整理されるのかを確認する必要があります。

有料プランなら何でもいいわけではない

ここは今回改めて確認して、特に注意が必要だと思ったところです。

私がメインで利用している生成AIはClaudeです。

Claudeには個人向けの有料プランであるProプランがありますが、
今回確認したガイドラインに沿ってお客様の情報を取り扱うのであれば、
単にProプランを契約して学習利用をオフにすればいいというわけではありません。

組織向けのTeamプランなど、業務利用に適した契約関係を確認できるプランを選ぶ必要があります。

「無料版ではなく有料版を使っているから大丈夫」と考えてしまいそうですが、
個人向けの有料プランと組織向けのプランでは契約条件が異なるため注意が必要です。

当事務所でも改めて利用環境を確認した

今回のガイドラインを受けて、私も当事務所で利用している生成AIについて改めて確認しました。

当事務所では生成AIを積極的に利用していますが、
お客様の情報を扱う場合には、学習利用の設定だけを見るのではなく、
DPAなどの契約関係やデータの取扱いまで確認したうえで利用しています。

生成AIはサービスやプランによって条件が異なり、内容が変更されることもあります。

そのため、一度確認して終わりではなく、今後も定期的に確認していく必要があると考えています。

AIを使わないのではなく、安全に使う

生成AIを使わなければ、こうしたことを考える必要は少なくなります。

ただ、生成AIをうまく活用すれば、調べものや文章作成、情報整理などを効率化し、
その分、本来の税理士業務やお客様への対応に時間を使うことができます。

私自身、これからも生成AIは積極的に活用していくつもりです。

ただし、お客様からお預かりしている情報を扱う以上、安全性を確認することが大前提です。

「生成AIを使うか、使わないか」ではなく、
「安全に使える環境を整えたうえで使う」。

今回のガイドラインを読んで、便利さだけではなく、
その裏側にある契約や情報管理まで確認して使うことの大切さを改めて感じました。

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