資格試験は何を測るものか

こんにちは!
仙台市太白区の若手税理士、髙橋拓人です。

今回は『資格試験は何を測るものか』という話です。

試験はどんどん難しくなる

ふと思ったことがあります。

世の中の学問というのは日々進歩しています。
経済学者や法律学者、会計学者など、
多くの研究者が新しい理論を発見し、体系化しています。

それ自体は素晴らしいことです。
ただ、その結果として起きることがあります。

試験が難しくなるのです。

税理士試験もそうですし、
公認会計士試験や司法試験も同じでしょう。

学問が発展する。
すると試験範囲が増える。
結果として、合格するのが難しくなる。

これは自然な流れです。

実務で使わない知識も多い

一方で、資格試験で勉強したことを全て実務で使うかと言われると、そうでもありません。

税理士試験で勉強した論点の中にも、
今でも毎日のように使うものもあれば、
一度も使ったことがないものもあります。

これは私だけではないと思います。
資格者の多くが同じような感覚を持っているのではないでしょうか。

そう考えると不思議です。

実務で使わない知識まで勉強しているのに、
その資格者は高い評価を受けることがあります。

なぜでしょうか。

参入障壁という考え方

経済学には「参入障壁」という言葉があります。

簡単に言うと、
新しく市場に入ろうとする人を難しくする仕組みのことです。

資格試験が難しいと、合格者は少なくなります。
すると資格者は希少になります。
結果として、資格そのものの価値が維持されます。

税理士もその一例でしょう。

試験が難しいからこそ、
誰でも簡単になれるわけではありません。

シグナリング理論という考え方

もう一つ面白い考え方があります。

それが「シグナリング理論」です。

これは、資格そのものが価値なのではなく、
その資格を取得した過程に価値があるという考え方です。

例えば税理士試験で勉強した論点を全て使うわけではありません。

ですが、何年も勉強を継続した。
難しい内容を理解した。
膨大な範囲を学習した。

そういった事実は、
「この人は一定以上の能力や努力を持っている」というシグナルになります。

資格は知識の証明書であると同時に、
努力や継続力の証明書でもあるのです。

資格試験の役割は知識だけではない

こう考えると、
資格試験は単純に知識を測るためだけに存在しているわけではないのかもしれません。

もちろん知識は大事です。

ですが、市場への参入障壁としての役割もある。
能力を示すシグナルとしての役割もある。

そう考えると、
実務で使わない知識を学ぶことにも一定の意味があるように思えます。

税理士試験を受験していた頃は、
「こんなの使わないだろう」と思った論点もたくさんありました。

ですが今になって振り返ると、
試験は知識だけではなく、
もっと別のものも測っていたのかもしれません。

ふとそんなことを考えました。

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